家庭で使った汚水は、家の外へ出た後、どのような経路を通り、最終的にどうなるのか?
皆さんも知っているようで、そこまでキチンと知らない方が多いのではないでしょうか?
ということで、今回、思い切って、僕が暮らす町(南伊豆町)の下水処理場の見学に行ってきました。
まず、こちらが行ってきた下水処理場の見取り図です。
もう見るからに難しそうな図ですよね・・・。
一つずつ、分かり易く説明していきたいと思います。
まず、下水道を敷いている家庭からは、全ての排水がここの下水処理場に集まります。
排水の中身は、台所の排水、お風呂の排水、トイレからの汚水などです。
※南伊豆町の場合は、温泉と雨水は下水処理場に溜まらない方式ということでした
では、次に超簡単に下水処理場の中の流れを説明します。
1.沈砂池というところに排水の全てが流れ着きます
2.沈砂池の中にある自動除塵機で砕けるものを砕き、大きなゴミを取り除きます
3.第一嫌気槽、第二嫌気槽を何度も行ったり来たりして、中のバクテリアが有機分解します
4.更に好気槽で酸化分解します
5.最後に塩素消毒をして、川へ放流します
ちなみに、自動除塵機はこちらの写真です。
このバリカンみたいな刃で大きな塊のものを砕き、液体を除く大きなゴミ、例えば、髪の毛、溶けないティッシュなどが溜まっていくというものです。
ちなみに、ひと月に1回程度のペースで掃除をし、その際に、約5~10㎏程度のゴミが出るということです。
2017年4月の時点で、約590戸からここの下水処理場に排水が集まっているのですが、それでもひと月に5㎏程度のゴミしか溜まらないということは、非常に優秀だなぁと思いました。つまり、南伊豆町の住民の皆さんが、あまり変なものを排水に流していないということを意味している訳です。
そして、こちらが、第一嫌気槽の中の上部の蓋を開けた写真です。
色は、何とも言えない色で、硫黄のような匂いがしました。
そして、塩素消毒した後の排水がこちらです(この後、川へ放流されます)。
ピンがぼけてしまっていますが、排水はかなりキレイになっていました(排水の基準は、BODという数値で最大で20mg/ℓということでした)。
そして、放流されている場所の川を見に行ってみました。
すると、この時はちょうど満潮時ということで、川の底に薄っすらと見えていた直径50cmほどの配管から、ボコボコと排水が勢いよく下から上へ流れ出ているという感じでした。
この後は、当然、川の下流へ流れていき、最終的には海へ流れて行く訳です。
さて、今回の下水処理場の見学を通して、特に気になったことは、以下の3点です。
●最後の写真の川の放流の場所ですが、近くへ行くと、洗剤の香りがまだ残っていました。つまり、いくら排水がキレイになったとしても、香りまで完全に消すということは少々難しいということ
●僕が見学した南伊豆町を例に取ると、下水道に繋がっている戸は、2017年4月時点で約51%ということでした。つまり、残りの49%は合併浄化槽(家の排水全てが繋がっている)、もしくは単独浄化槽(トイレの排水のみ繋がっている)ということを意味します
●生ごみや油は、下水管が詰まるので流してはいけないということ
次の記事で、この下水処理場の見学から見えてくること、暮らしの中で実践すべきことを書きたいと思います。