販売協力店のご紹介(Can.nen Surf@鹿児島県大島郡奄美大島)

今回は、鹿児島県の奄美大島にあるCan.nen Surf(キャンネンサーフ)オーナーの碇山さんのところへ取材に伺いました。

奄美大島は、現在、世界自然遺産登録を目指している自然豊かな島です。
碇山さんは、その奄美大島で生まれ、プロサーファーとして活躍中。
現在は、世界的なアウトドアブランドであるパタゴニアのサーフアンバサダーの一人です。

いつも海が近くにある、そんな環境で育った碇山さんにお話を聞きました。

洗濯用洗剤「All things in Nature」(※以下、オール)」の販売を始めたきっかけは何ですか?

(碇山さん)
パタゴニアとの繋がりで、お店でも環境のことを考えるようになって、その時、マウイ在住のチームメイトの岡崎友子さんが“きむちん”(オールの開発者)を紹介してくれたのがきっかけです。

(碇山さんの奥様)
母が、がんこ本舗(きむちんの会社)を知っていて、“食”に関心があったのもあり、私自身も添加物などには関心が強かったですね。

(碇山さん)
オールの良さを実感したのは、タンカー事故の時です(※2018年1月6日、中国沖でタンカー「サンチ号」と貨物船が衝突し、原油が流出。奄美周辺の島々の海岸に漂着しました)。回収作業の後、自分たちの服にも油がべったり付いてしまうのですが、オールを使えば、その場で油をキレイに分解できるので、それが一番助かりました。例えば、「海岸の油を回収したけど、服に付いた油は、一般的な洗剤と一緒にそのまま海に流しちゃいました」って、それでは意味が無いですからね。海で作業して、その場で流せて、油も分解できる。それを、きむちんやスローヴィレッジの直也くんが奄美大島までボランティアに来て、実演して教えてくれたのが良かったです。

タンカー事故で流れ着いた大量の油、ニュースで見ましたが、本当に大変でしたね。

(碇山さん)
自分も直接掃除に行きましたが、本当に大変でした。サーファー40~50人で毎週作業に行きました。多い時は100人位いましたね。毎回、ドラム缶5~6杯分の油を回収しました。また、行政が行う作業は油のみを回収していましたが、僕らは漂着ごみも一緒に拾っていたので、4tトラックで往復4~5回分です。いやー大変だったなぁ…。だからこそ、今回のことを聞きつけて、ボランティアに来てくれる人たちは、本当にありがたかったですね。


実際にオールを使ってみての感想を教えてください。

(碇山さん)
ウエットスーツを海の近くで洗えるのが良いですね。汚れたらその場で使える。「海に流しても大丈夫!」っていうのが。サーフィンスクールなどで仕事をしているところが海ですから、自然があるところでも罪悪感なく使えるのは気持ちの面で大きいです。

(碇山さんの奥様)
ただ、男性の服で汗をいっぱいかいた後の匂いが、完全には落ち切らない時はありますね。香り付けに関連商品があってもいいかなぁ…。

これまで、どんな方がオールを購入してくださいましたか?

(碇山さんの奥様)
海が好きな人、小さい子がいるお母さんとか、子育て世代の人が多いですね。洗濯後の排水は、ゴミとは違って目には見えないもの。だからこそ、買いに来る人は“ホンモノ”ですよね。志ある人が下調べしてから来てくださることもあります。本気で島の環境を考えるのであれば、もっと公共の場、例えば、小学校とかでも使って欲しいですね。オールが、環境にも人にも良い洗剤だからこそ、子どもたちにも安心して使ってもらえます。

オールの普及を行う上で、大変なことなどはありますか?

(碇山さんの奥様)
田舎だからこそ難しい部分はあると感じています。同じサーファーでも無関心な人はいます。そういう人たちでも、幼少時代の実体験があれば変わってくるはずです。これはすぐ変わることではないので、今が「種蒔き」の時期だと思っています。一番良くないのは「無関心」になることですね。きっかけとして、オールが置いてある場があって、海や自然のことを話すきっかけになればと思っています。自然豊かな地域だからこそオールを拡げていきたいけど、こういう土地だからこそ中々拡がらない事情もあります。自然を守るよりも開発が進む流れが今でもありますし…。その中でお母さんたちのパワーは大きいですね。だからこそ、子どもが早い内に知れる機会があると良いと思っています。保育所、小学校、医療施設、飲食店とかで教育の場として伝えていきたいですね。

奄美大島の自然に対する想いを聞かせてください。

(碇山さん)
自分は中学1年生からサーフィンをやっていて、元々海が好きでした。サーフィンしていたらビーチクリーンをやるのも自然の流れでしたね。そうやっていつもサーフィンをしている手広海岸で、2013年に護岸工事の話がありました。その頃は自然を守るよりも開発が特に進んでいた時代です。自分自身が「手広海岸を守る会」の代表をやって、そこからお店を開業したり、イベントをやるようになりました。反対運動で全国署名を集めたり、集会を開いたりしたこともあって、そこから考え方が変わって、“環境”のことに関心を持つようになりましたね。

(碇山さんの奥様)
学生の頃に何度か奄美大島へ行ったことがあったのですが(※23歳の時に奄美大島へ移住)、その時に島の泥染めを知って、「自然の色でこんなにキレイな色が出るんだ〜」と感動しました。でも、台風の時の水害で農薬や赤土が流出してしまうし、サンゴや魚も影響受けていることを知りました。

(碇山さん)
奄美はまだ家庭の排水が垂れ流しのところが多いです。車を洗うときだって、直接排水溝に繋がっていて、やがては海へ流れていきます。そう考えると、レンタカー屋とかガソリンスタンドでも拡がるといいなって、そういうところを色々と見るようになりましたね。実際、レンタカー屋さんに話しに行きましたが、コスト面の問題が大きかったですね。企業としての配慮が大事だと感じています。そして、一番大事なのは普及させること。何度もお伝えしていますが、とにかく小学校とか行政、あと意識の高い飲食店や民間企業が取り入れてくれたら嬉しいですね。世の中には自然環境を壊して利益を得る人もいます。でもこれ(オール)は逆。自然のことをちゃんと考えている。世界自然遺産を目指す島だからこそ、こういう考えを取り入れていくことが大事だと思います。

碇山さん、本日はありがとうございました。世界自然遺産登録を目指す奄美での貴重なお話を伺うことができました。地球にひとつしかない海。それを一緒に守る仲間として、これからもよろしくお願いいたします。

Can.nen Surf
〒894-0411 鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木157-5
0997-62-3332
営業時間11:00~19:00(月曜定休日)
http://cannensurf.amamin.jp
※お店は奄美で唯一のサーフプロショップ。
※「Can.nen」=「きゃんねん」は奄美の島言葉で「大丈夫」という意味。

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