アトピーの方が良く使う塗り薬が付着した衣類の洗濯方法!(その2)

先日、お客様よりお問い合わせをいただきました。

「ブログを拝見しました。赤ちゃんがアトピーのためステロイドを使用しています。オールで軟膏は落ちますでしょうか。

≪使用しているお薬≫
・リドメックス(サラッとしているが、寝かせたときシーツにベッタとつき色が変わるのが気になる。)
・アンテベートとアズノール軟膏を混ぜたもの
・ロコイドとアズノール軟膏を混ぜたもの
・ヒルドイドとプラスチベースを混ぜたもの」

そして、お客様と電話で話した後、その塗り薬を少量送っていただき、洗濯試験をしてみました。

【塗り薬の名前など(写真の上から順に)】
・ヒルドイド軟膏+プラスチベースの混合
・アンテベート軟膏+アズノール軟膏の混合
・ロコイド軟膏+アズノール軟膏の混合

【使用した衣類】
・100%綿素材の子供用のTシャツの切れ端(既に使い古したもの)
・綿棒で少量の塗り薬をこすりつけたもの3種類×各3枚ずつ

まずは、40℃のお湯のみでもみ洗いを20回ほど繰り返してみましたが、塗り薬のベトベトがTシャツに広がるばかりであまり効果はありませんでした。


次に洗濯用洗剤「All things in Nature」(以下、オール)を4倍の水で希釈したスプレーボトルを用意して、こちらを塗り薬が付着している箇所に5プッシュ吹きかけてから、40℃のお湯で20回ほどもみ洗いをしました。


すると、どうでしょう…。ちょっと見にくいですが、Tシャツから取れた塗り薬が、タライのお湯の中に薄っすらと白く浮かび上がってきました。明らかに塗り薬がTシャツから取れたことが分かります。


次は、Tシャツから取れた塗り薬を見やすくするために、Tシャツの色をグレーに変えて、左上に紫色のマジックで塗り薬の番号(1〜3番)を書き込み、同様の洗濯試験をしてみました。

40℃のお湯のみでは、やはり、塗り薬はほとんど落ちませんでした。手でTシャツの切れ端を絞る際、Tシャツの繊維に隠れていた塗り薬が中から出てきました。また、絞り終わった後のタライのお湯の目立った変化も特にありませんでした。



次は、オールを4倍の水で希釈したもので洗ってみました。



すると、どうでしょう。もみ洗い後に、Tシャツをタライの中に入れると、お湯が少しだけ紫色に染まり、タライの中に紫色の輪っかができました。そして、その輪っかの部分を左手の人差し指で拭ってみると、紫色に染まった塗り薬とグレーのTシャツの繊維とが一緒になったものが付着しました。白いTシャツでは見えなかったことが、色々と見えました。




最後に、洗濯試験で使用した白いTシャツの切れ端×6枚、グレーのTシャツの切れ端×6枚を天日干しして、乾いた後、窓から差し込む光にあてて、塗り薬がどれくらいTシャツに残っているかを確認してみました。

すると、特に白いTシャツの方が分かりやすかったのですが、上の3枚には塗り薬がまだ付着したままであることが分かりました。

また、塗り薬3種類の中で落ちやすかった順番としましては、

・ヒルドイド軟膏+プラスチベースの混合(写真左側)→最も落ちにくかったので、3番
・アンテベート軟膏+アズノール軟膏の混合(写真真ん中)→最も落ちやすかったので、1番
・ロコイド軟膏+アズノール軟膏の混合(写真右側)→2番

と、「お湯のみ」、「お湯+オールを4倍の水で希釈したものを使用」した際の結果も共に同じ順番でした。



以上の洗濯試験の結果から、アトピーの方が良く使う塗り薬が付着した衣類の洗濯方法を簡潔にまとめますと、以下の通りとなります。

【洗濯方法】
1:塗り薬が付着した箇所に、オールを4倍の水で希釈したものを5回ほどスプレーする。
2:40℃くらいのお湯に時々付けて、その箇所をよくもみ洗いする。
3:これでおおよその塗り薬は衣類から取れているので、後は他の洗濯物と一緒にオールを使って通常通りに洗濯機で洗う。

【補足】
・水よりもお湯の方が塗り薬が取れやすいことも同時に確認しました。ですが、あまり熱すぎると、衣類を傷めることにもなりますので、40℃くらいが適温だと思います。
・肌が弱い方などは、ゴム手袋を装着して手洗いすることをオススメします。

アトピーの方、肌が弱い方、乾燥肌の方などで、同じ様に洗濯に困っている方の一つの参考になれば幸いです。

こちらの記事は、我が家の次男が幼少期に使用していたアトピー用の塗り薬で洗濯試験したものです(2016年12月に記載)。洗濯試験内容はほとんど変わりませんが、塗り薬の成分が多少異なりますので、こちらの記事も参考になれば幸いです。

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